ホワイトカラー・エグゼンプション

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ホワイトカラー・エグゼンプション
発祥の地アメリカの実情
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エグゼンプション発祥の地アメリカの実情

ホワイトカラー・エグゼンプション発祥の地アメリカでは、どのように運用されているのでしょうか? また、問題点などあるのでしょうか? 労働政策審議会労働条件分科会の答申と比べてどうなのでしょう。働くことに対する意識の違う日本とアメリカの実情を比べてみます。

日本のホワイトカラー・エグゼンプション

労働政策審議会労働条件分科会でも述べられていましたが、アメリカのホワイトカラー・エグゼンプションと日本版ホワイトカラー・エグゼンプションは基本的に違うものと考えたほうがよさそうです。そもそもアメリカと日本では「働く」ことに対する考え方や、仕組みが違うので、同じ様にすることには無理があります。労働政策審議会の答申でも日本のホワイトカラーの定義がいま一つイメージできません。あえてイメージすると課長クラスの管理職予備軍とでも言える人材でしょうか? この、課長予備軍を労働基準法から外して、どのようなメリットがあるのでしょう? 日本経団連の「新時代の日本的経営」によれば、年収400万以上のホワイトカラーを対象とした日本版ホワイトカラー・エグゼンプションですが、年収400万以上ですと日本のホワイトカラー殆どが対象になってしまいます。これは明らかにモラルハザードを招きかねない問題です。また、ホワイトカラー・エグゼンプションというネーミングですが、厚生労働省が出してきた資料にはアメリカでは、あたかも一般的な呼び名のように語られていますが、実際はアメリカ公正労働基準法の中の専門用語であって、一般市民は仕事場や日常会話でもホワイトカラー・エグゼンプションという単語は使うことが無いのが実情のようです。

アメリカのホワイトカラー

アメリカのホワイトカラーには2種類あります。残業手当の付くノン・エグゼンプト労働者と、いわゆるホワイトカラー・エグゼンプションの対象に当たるエグゼンプト労働者です。ノン・エグゼンプトのホワイトカラー労働者は、残業をすれば残業手当が付きますが、実際の現場では殆ど残業をしないのが普通です。また、残業や出張は基本的にはエグゼンプト労働者の仕事であって、ノン・エグゼンプト労働者は、朝9時から夕方5時まで、会社で契約書に書かれた仕事だけをすればよいことになっており、その権利は公正労働法や労働組合(会社のものでは無い)によって厳格に守られています。年収も200万〜600万となっていて、日本に比べるとはるかに恵まれていると言えます。しかし、エグゼンプト労働者は多忙を極めており、夜9時の通勤列車がラッシュで込み合ったり、休日も自宅のパソコンで仕事をしたりと、問題も出始めています。とは言え日本では当たり前の光景で、特別な事ではありません。

アメリカのホワイトカラー・エグゼンプションの問題点

アメリカに於いてホワイトカラー・エグゼンプションの問題点はそれほど多くは無いようですが、幾つか上げるとすれば、まずホワイトカラーの仕事そのものが減少の傾向にあることです。鉄鋼や自動車関連の工業を中心にリストラが進み、ホワイトカラーの雇用が減っているため、一時的にホワイトカラーの空白ができています。しかしIT産業の順調な伸びで、ホワイトカラーも徐々に工業からIT産業へシフトしてきています。また、前項でも述べましたが、エグゼンプト労働者の成果要求が高まってきて、仕事量が増えつつあります。また、経営者のエグゼンプトの濫用で、本来であればノン・エグゼンプトの労働者が、エグゼンプト労働者扱いされ、不当に過重な労働を強いられる場合があることでしょう。本家本元のアメリカでさえ、週40時間の労働が原則で仕事が進められていながら、上記のような問題が発生している現実をみると、日本のような残業するのが当たり前の社会に、エグゼンプト労働者を拡大するような制度はまだ、時期尚早だと思われます。